解脱
【げだつ】[名]
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煩悩の束縛から解放されて、安らかで自由な悟りの境地に達すること。悟ること。涅槃。




第79回大会(2003年)の5区山登り。
東海大学・"中井祥太"(現・京都外大西高校陸上部監督)が中央大学・"藤原正和"(現・Honda)の記録を7秒上回る区間新記録を打ち立てた際は、「凄いルーキーが現れた!」と結構な話題になったと記憶している。

その2年後の第81回大会(2005年)で、"中井"の記録を2分以上更新する驚異的な走りをしたのが、誰あろう順天堂大学・"今井正人"(現・トヨタ自動車九州)であった。
"今井"は翌年、区間距離が変更になった5区を大会関係者の予想をはるかに上回るタイムで駆け上がり、順天堂大学に往路優勝をもたらした。

「5区には神がいる」

共に5区を走った日本体育大学・"北村聡"(現・日清食品G)のこの言葉を受け、第83回大会(2007年)で再び往路優勝のテープを切った"今井"を評し、日本テレビ・河村亮アナウンサーは

「今、山の神ここに降臨。その名は"今井正人"!!」

と、叫んだ。
こうして、5区で3年連続区間新という偉業を打ち立てた"今井正人"は「山の神」になった。

まさしく神懸かりであり、もはやこの記録を破る者はいないだろうと思われた。
しかし、たった2年後の第85回大会(2009年)、その怪物は現れた。

東洋大学・"柏原竜二"(現・富士通)

1年生時に"今井"の記録を47秒更新。
翌年、自らの記録をさらに10秒更新した。
2度も成した以上、偶然ではない。
神の記録を上回るということは、"柏原"の走りもまた神の御業である、とされた。
「2代目山の神」、「新山の神」と呼ばれる所以だ。

3年生時は調子を落としたものの区間賞は譲らず。
最終学年の4年生時には前人未踏の1時間16分台で駆け上がった。
4年連続の区間賞に、3度の区間記録更新。
「神」の称号に相応しい圧倒的な記録と記憶を残して"柏原"は去った。

今度こそ、もう二度とこの記録は破られないだろう。
誰もが信じて疑わなかったが、今大会の青山学院大学の5区走者は・・・

走る前から(野)だった。
 
 
我ながら前置きが長い(;^ω^)
まあ最後の一言が言いたかっただけなんですが(;´Д`)

夜勤明けだったんで、往路はラジオで聞いていた。
文化放送のゲストは、毎度おなじみ"柏原竜二"。
"神野"の走りを見ながら5区の攻略ポイントを解説してたわけです。

「宮ノ下からの急激な登りの前に、ここは一息吐けるところなんですね」

とか言ったそばから加速して駒澤大学の"馬場翔大"を抜き去る"神野"。

「ここで休まなかったら最高点まで休むところないですよ!?Σ(・∀・;)」

5区を走る選手を見て山の神がうろたえるなんて誰が想像し得たか(;´∀`)
結果として自分を超えられてしまったんだから無理もない話ではあった。

その結果を受けての"かっしー"は、「これでお役ご免ですね(ノ゚∀゚)ノ」などとご満悦な様子。
まあ一つ足枷は外れたかもなあ。
でも現在3年生の"神野"は、4年連続区間賞獲得も3回の区間記録更新ももはやできないわけで、偉業としては残り続けちゃうのよね(;^ω^)
でもまあ例年になく楽しそうでなによりでした(゚∀゚)


この"神野"の5区も含めて、今回の往路は1区から実に面白かった。
ここ数年で一番(`・ω・´)b

でも復路はもうね(;゚Д゚)

「今回の青学はいいところまで行くだろうな」ぐらいには思ってました。
ええ、事前予想の本命は駒沢一択です(;´Д`)
ただ、今回の駒沢に明確な敗因はない。
とにもかくにも青学が強すぎた(;´-ω-`)
東洋、明治も含め「かわいそうです!(><)」としか言えない。

特に復路のやりたい放題は見ていて呆れるばかり。
5区"神野大地"が作った5分近いリードを一切消費することなく、むしろ後続との差を倍にしてしまった。
「"神野"のおかげで勝てたって言われないようにしよう」と復路の選手同士で話はしたそうだけど、それだけであんな風になるかぁ(;^ω^)

かつての東洋も、"柏原"のリードを消費することなく優勝したことがある。
その際には今回の青学と似たような誓いを立てていた。
ただ、一見して東洋と違うのは走った後の精神状態。

7区"小椋裕介"は区間賞インタビューに答えて曰く、「こんなに気持ちよく走れたことはない」。
8区"高橋宗司"は襷を9区に渡した直後、「やっべ!超楽しい!」と連呼。
9区"藤川拓也"は走れなかった友の想いと共に走っていたが、インタビューでは「楽しんで」「笑顔で」等、重々しさとは無縁のさわやかさ。

そして皆一様に、実に柔らかい表情をしていた。
楽しそうに写るが、8区"高橋"は区間賞。
7区"小椋"、9区"藤川"も区間賞で、しかも区間記録にあと数秒と迫る快走だ。
いままで味わったことのない気分がために詰めを誤ったという向きもあるが、むしろ高揚していたが故の好記録だと思われる。


かつての山の神は、後続の選手に闘志を与える戦の神でもあった。
でも青学の"神野"は、「憂い」や「気負い」といった負の感情を綺麗サッパリ祓ってしまったんじゃないかと思う。

特に8区走者、"高橋"の浄化されっぷりは尋常ではなく、レース後に「最高という言葉以外見つからない。日本中で僕が一番幸せなんじゃないかと思います。」と言い切った。
陸上人生の最後を最高の形で終われたという事実を考慮すればわからなくもないが、次の受け答えがさらにやばかった。

Q.あなたにとって箱根駅伝とは?

A.人生です(キッパリ)


"高橋宗司"22歳。
君の人生はまだ始まったばかりだ。

帰ってきてー (´;ω;`)
 
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